2.3. 内部告発を評価する


不正行為を明らかにする多くの記事は、内部告発から始まります。例えば、 警察の内部告発者は、署長が関与する車の盗難詐欺について明かします。 復讐で頭がいっぱいの元妻は、元夫の脱税について購読している新聞社に電話してあばきたてます。 政治家は親しい編集者に、政府からの仕事を入札している会社と入札委員会のメンバーとの間の癒着について漏らします。

しかし内部情報は事実でないかもしれないし、人を嵌める意図で作られている場合もあります。 記者以外の誰かの要求に合わせて仕立てられているかもしれません。組織や権力が、あなたの報道の目的や影響をコントロールしようとすることなど大いにあり得ます。
 噂を検証するときと同じですが、そのような内部情報を評価するときは、次のように自分自身に問いかける必要があります。

  • > 内部情報がなかったとしても、これは私が書く題材ですか?
  • > この問題は、私が情熱を感じる問題ですか?
  • > ここで掘り起こした真実は本当に公共の利益のためになりますか?

3つの質問すべてに「はい」と答えられる場合は、次に進みます。


汚職—個人スキャンダルよりシステムを明らかに

汚職の容疑者を暴露しても、場合によっては社会正義に大きな影響を与えない場合があります。
多くのジャーナリストは、1人の不正行為者を暴露することにより、他の人を怖気づかせ、そのような行動を止めさせる効果があるかもしれないと主張します。しかし、多くの例が証明しているように、個人の腐敗に関する単なる暴露報道は、組織的な腐敗にほとんど影響を与えません。 腐敗がすべての社会構造と経済活動に染み込んでいるとき、そして時には腐敗と戦うために作られた組織にさえ染み込んでいるとき、人はしばしばその記事を無視し、新しい話題に話を移します。

ところが、ジャーナリストが1件の汚職事件を例にとり、脱税と贈収賄を容易にするシステムの欠陥に注目して報道すると、その記事はより大きく影響を及ぼし、派閥や党が不正行為を隠蔽することを困難にする可能性があります。