記事のアイデアが生まれる場面は様々です。偶然耳にした聞いた日常会話から生まれることもあれば、ニュースへの疑問や個人的な経験から生まれることもあります。
ただ、 記事のアイデアを得ることは、探査ジャーナリズムには必要不可欠でありながら、とても難しいです。 良いアイデアを生み出すヒントをいくつか紹介します。

第1に、記事のアイディアが運良く舞い降りてくるだろうという甘い考えは捨ててください。 暗い路地で大量の機密文書を受け取り、スクープを署名記事で放ち、絶賛と表彰を受けるーー。そんな夢を見る人もいます。
もちろん、時にはそんなことも起こります。 ウォーターゲート事件は匿名の内部告発から始まり、最終的にはリチャード・ニクソン大統領を辞任に追いこみました。
しかし、政治的な腐敗に関する匿名の電話が鳴り、極秘文書を受け取ることは滅多にありませんし、あったとしても徹底的に真偽を確認する必要があります。ウォーターゲート事件は、記者たちの膨大な努力があってこそ、政治的な不正を暴けたのです。

第2に、常に目を見開いていることです。
例えば、記者の通勤途中での排水溝の詰まり、パスポートのために並ぶ入国管理局の長い列、あるいはクリニックでの看護師の患者への手荒い扱いに気付くことが、記事の発端になることが往々にしてあります。 こうした観察のすべてが必ずしも記事を生み出すわけではありませんが、取材で掘り下げる出発点になります。
頭に浮かぶ疑問と一緒に、ノートの裏にアイデアを書き留めます。 スマホに記録するのはもっと便利です。写真を撮ったり図を描いたりして、それらを保存しておけば、常に取材成果を持ち運べます。

第3に、あなたの五感を信じてください。
あなた自身が事件現場で見聞きした事柄を記事の手がかりにすることは有効です。直接経験していれば記者自身が最高の証人になるのです。現場で体感し観察したことが、記事を形作っていきます。
ただ、現場を体感する幸運に恵まれるからといって、事前調査を軽んじるようなことがあってはいけません。